A君は20歳の大学生、心身ともに健康で体育系の部活動、大学の授業と学生アルバイトで忙しい毎日を送っています。その彼の悩みは、寝る頃になると両下肢、特に足を中心になんとも云えないほてり感があり、眠りが浅く困っています。時には、燃えるような、ピリピリする痛みのような灼熱感に襲われ、中途で覚醒します。どうしたらよいのかという質問です。

大田医師

医療機関を受診しましたか。

A君

近医を受診したところ、ビタミン不足と云われ、食餌療法、野菜を食べること、ビタミン剤を飲むようにとの指導を受けました。

大田医師

自分ではどんな工夫をしましたか。

A君

父親も若い頃に足がほてって困ったことがあり、青竹を踏んではどうかなどのアドバイスをもらいました。青竹を踏んだり、アイスノンで足の裏を冷やしたりしましたが効果はありませんでした。いつも足だけ布団の外に出して寝ています。

大田医師

これだけの訴えを聞くと、ほぼ診断はつくのですが、確認のため終夜睡眠ポリグラフ検査をしてみましょう。

A君

検査中十分眠れませんでしたが、何か異常があったでしょうか。

大田医師

検査データの中に、脚動数の項目がありますね。人は睡眠中に、結構足を動かすものですが、あなたの場合リズムのない周期性のない、いわゆるバタバタ足の脚動数が590回と出ています。ビデオも見てください。

A君

下肢が耐え難い不快感のためどうしようもなくなって、足をバタバタしたことを自分でもうっすらと覚えています。ビデオを見ると、激しく足を畳にたたきつけるようにしていますね。なるほどこの時目が覚めるわけですね。

睡眠を妨げていたレストレスレッグス症候群

大田医師

病名は、レストレスレッグス症候群と云い、むずむず足症候群とも訳されています。この病気は、入眠困難の上・下肢の不快感が睡眠を分断するため中途覚醒があり、朝熟眠感がないのが特徴です。前回の周期性四肢運動障害に合併する場合もあります。あなたのように若い人には少なく、主に中高年に発症します。

A君

原因はなんですか、治りますか。

大田医師

明らかではありませんが、ストレスや鉄欠乏性貧血が原因のひとつと云われています。何種類かの有効な治療薬があり、ほとんどの人が治りますので心配はいりません。

A君も治療を受け、爽快な朝を迎えることができるようになり、元気に大学生活を送っています。