あなたは二つの体質をお持ちです。母親からもらったと思われる片頭痛体質と父親からもらったと思われる長時間睡眠(長眠者)です。
あなたの訴える10時間寝ても朝起きにくい、日中眠たい、寝ても寝ても日中の眠気が改善しない、原因のはっきりしないこのような症状を特発性過眠症と言います。睡眠障害国際分類ICSD-3では原因不明の特発性過眠症なる病名は認められていますが、国際過眠症学会では消去されました。過眠症の中で有名なナルコレプシーはきちんとした診断法と治療法があります。ところが、特発性過眠症の確実な診断法はなく治療も半数程度にしか効果がありません。過眠症の原因は思春期に陥りやすい睡眠覚醒リズム中枢の制御異常と言われており、抜本的な治療法はありません。数ヶ月、好きなだけ寝さし睡眠負債を解消する方法がありますが父兄には受け入れがたい治療法のようです。ナルコレプシーに使う覚醒アミンであるモディオダール、ベタナミン、リタリンの効果も不確実で半数以上の方には無効です。あなたに試すとすればリタリン(一日最大60㎎の処方制限あり、有効時間は1~4時間)を家族管理の上で頓服的に内服する方法があります。追加薬として概日リズム睡眠障害に対するメラトニン療法があります。生活指導は本人が睡眠リズム障害を理解し受け入れて22時から翌日6時の基本睡眠時間を尊守する、三度の規則正しい食事摂取を家族と共にするなど本人の自覚が大切です。そして就学、就職に対し家族や学校の意見を尊重し無理のない道を選択することです。