今回は2017年9月に日本で承認された免疫チェックポイント、オブジーボ注射薬についてです。
対象となる患者さんは、2次3次の抗癌剤治療にも反応しなかった患者さんに対して投与した日本・韓国・台湾合同の国際治験の結果を受けて保険承認になりました。世界中で癌でなくなる患者さんの一番は、肺癌で約160万人/年で、その次が肝臓癌で約80万人/年、その次の3番目として胃癌が70万人以上/年の発生頻度です。日本でも年間10万人以上が胃癌と診断され、そのうち進行した患者さんは4~5万人/年に達しいています。治験の成績は、どの癌でもこれらの新しい新薬の効果は20%前後で恩恵を受ける人は5人に1人ですが、抗癌剤と違って効果があった方は、薬の投与が終わってもその効果が長続きする特徴があり、その中で完全に癌が消えてしまう人も数%存在しています。
肝臓癌の保険適応は、アメリカ医薬食品衛生局(FDA)が先に認可されましたが、日本でも来年には保険が通る可能性が期待されています。
最初に保険適応になった肺癌の時は使用に当たり、その患者さんの癌細胞にPDL-1の存在の証明が必要でしたが、現在ではかなりのその他の固形癌に関しても必ずしもPDL-1の存在が必要条件ではなく、全くPDL-1がない人でも効果が得られています。
これらの資料は、製薬会社のHPやシカゴ大学個別化医療センター副センター長、中村祐輔腫瘍内科外科教授の発するシカゴ便りをもとに作成しています。
少し専門的でわからない部分がありますが、ご質問があれば、いつでも問い合わせ下さい。
2017年11月20日 光畑直喜