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一過性脳虚血発作とは?
~診断は早ければ早いほどよい~
朝食や昼食の時、お箸が十分使えなくなり、言葉も少しもつれていましたが、夕方には元通りになりました。お医者さんに受診したところ、「一過性脳虚血発作」なので、場合によっては治療が必要かも知れないが、あまり心配ないといわれたのですが、この「一過性脳虚血発作」とはどのような病気なのでしょうか?
次のような症状が一時的に起こり、数分、数十分、数時間で消えてしまうことがあります。これが「一過性脳虚血発作」と呼ばれるもので、脳梗塞の前触れとして重要です。「一過性脳虚血発作」は同じ日に2度3度繰り返したり、2、3日して同じ症状を繰り返したりということがあり、約30%の人は近いうちに脳梗塞を起こします。
- 一時的な視力・視野の障害
- 片方の目が一瞬見えなくなる。視野が半分見えなくなる。
- 一過性の復視
- 一過性にものが二重に見える。
- 一過性のしびれ
- 一過性に顔とか手足の感覚が鈍くなったり、なくなったりする。
- 一過性の麻痺
- 食事中に無意識のうちに箸や茶碗を落とす。
- 一時的なバランス障害
- 体の中心が一時的にとれなくなる。真っ直ぐに歩けない。
- 一時的な言語障害
- 一時的言語がしゃべれなくなる。ロレツがおかしくなる。
- CT・MRI
- 一過性の場合そのほとんどの方は異常を認めない。
- 脳血管撮影
- もっとも簡単なのは、MRIを用いた脳血管撮影。この時首の血管の撮影も同時に受けてください。この検査によって頚部の血管や脳の血管の狭窄が発見されることがあります。
- カテーテルによる造影血管撮影
- MRIと同等またはそれよりもより詳しく頚部や脳の血管の狭窄などの異常を発見することができます。
- 心電図
- 心房細動などの不整脈が見つかった場合は、心エコーの検査を受けられることをお勧めします。弁膜症などの心臓病のある場合は、心臓内で形成された小さな血の塊が、心臓から脳の血管の中に流れ込み、一時的に脳の動脈を塞いで「一過性脳虚血発作」を起こすことがあるからです。
- 治療
- 「一過性脳虚血発作」の場合、かかりつけ医の判断によりますが、頚部や脳の血管に狭窄を認めた場合は狭窄の進行を食い止めるために血管に粘りをつける血小板の機能を抑え、血液をサラサラと流れやすくする抗血小板剤の内服を勧められることがあります。狭窄が強い場合には、カテーテルによる風船療法を勧められる場合があります。心臓に原因がある場合は、弁膜症や不整脈の治療が必要です。
個人による健康管理としては(1)禁煙(2)禁酒(3)塩分を控える(4)適度な運動に努める(5)水をよく飲むなどの健康管理が大切です。
「一過性脳虚血発作」は数分から数時間で症状が消え元に戻るため、つい油断し、そのまま放置することがあり、不幸にして脳梗塞になることがありますので、かかりつけ医に相談し、そして必要なら適切な治療を受けられることをお勧めします。
太陽新聞 1999年12月5日掲載
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