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<ケース9> 睡眠中の不可思議な行動

十分に睡眠をとったはずなのに朝起きて熟眠感がない。日中眠気で、仕事に集中できず上司から注意を受けることが多く、悩んでいる40歳代の男性Aさんです。

Aさん
私は真面目な性格で仕事にも熱心なほうで、上司同僚の信頼も厚かったのですが最近日中の集中力がなく眠気もあり困っています。夜中に自分では記憶していませんが妙な行動をするそうです。
Aさんの妻
夫は睡眠中に両手をゴソゴソ動かしますが、何をしようとしているのか分かりません。ベッドから起き上がって座ることもあります。1点を見つめてボーとしています。そしてクチャクチャと口を動かし何か食べるような仕草をします。この間呼びかけても返事をしません。落ち着きの無い不可思議な状態が続き、その後は大きないびきをかいて眠ります。毎晩連続してこのような異常行動を起こすこともあれば、しばらく無くてほっとしているとまた頻繁に起こるようになります。とても心配です。
大田医師
おそらく睡眠てんかんが考えやすいです、てんかん患者さんの4人に1人は睡眠関連てんかんです。かなり頻度として多い疾患です。睡眠関連てんかんは、画像検査をしても特有な病変はほとんど認められません。昼にはほとんど発作が無いために、本人には病気への自覚症状が無いのが一般的です。このような手足の不自然な動きとか口をクチャクチャと動かす発作は、複雑部分発作と呼ばれます。自然によくなることは稀で、これによって日中の眠気などを生じ仕事に支障をきたしている場合は治療が必要です。
Aさん
今のところ発作は睡眠中だけですが、昼間にもおきるようになるのでしょうか。
大田医師
文献的には約20%の方が昼間にも発作を起こすようになると言われています。
Aさん
この睡眠中のてんかん発作は子どもに遺伝するでしょうか。
大田医師
睡眠関連てんかんのなかでご主人のような複雑部分発作には遺伝の要素はありません、子どもさんへの心配はありません。
Aさん
検査結果について教えてください。
大田医師
終夜脳波検査の結果は、脳の広い範囲に睡眠中にてんかん性異常波である、棘徐波複合波が見られます。鋭くとがった波、棘波は脳の異常な興奮を、大きな波、徐波は抑制を表しています。
Aさん
治療をお願いします。
大田医師
18歳未満の子どもに発症する特発性の睡眠てんかんは予後がよく治療をしない場合もありますが、ご主人のように40歳を過ぎての複雑部分発作は、治療が必要です。よいお薬が複数あります。ご安心下さい。

「てんかん外来」

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