<ケース11> 胸やけによる不眠

口の中が酸っぱく苦い感じがし、不快な胸やけ症状のため、中途の覚醒や寝起きがすっきりしません。仕事に集中できず、元気が無い40代後半の男性Bさんです。
- Bさん
- 朝起きて口の中が酸っぱく苦い感じと胸やけがし、気分が悪く熟眠感がありません。
- 大田
- おそらく過酸症が原因と考えられます。
- Bさん
- 過酸症とは。
- 大田医師
- 一般に睡眠中には成長ホルモンと同じように胃酸の分泌が高まります。強い酸性で殺菌作用と防腐作用をもっており、ペプシンの消化作用を助けます。
- Bさん
- 過酸症がどうして不眠の原因になるのでしょうか。
- 大田医師
- 過酸症だけではなく、過剰な胃酸が食道に逆流し、逆流性食道炎を起こし胸やけ・不快感を生じている可能性があります。
- Bさん
- 初めて聞きました。珍しい病気でしょうか。
- 大田医師
- 逆流性食道炎は欧米に比較的多く、日本では少ないと言われていましたが、食生活の変化などから最近は増えているようです。意外と知られていない、また意外と多い不眠の原因の一つです。
- Bさん
- 胃液が喉まで逆流する原因は何ですか。
- 大田医師
- 胃食道逆流の原因は、食道と胃の境の噴門括約筋が弛緩するのが原因です。食道のぜんどう機能が低下した場合でも起こるようです。こういった状態で胃酸が過剰に分泌されると喉まで逆流してきます。消化器内科での検査をお勧めします。
- Bさん
- 内視鏡検査の結果、胃十二指腸には癌・潰瘍などの異常はなく逆流性食道炎と診断されました。食道がずいぶんとただれていると言われました。
- 大田医師
- これだけ食道が傷むと不快感からさらに灼熱感を生じることがあります。この灼熱感が睡眠を分断し、不眠の原因と考えられますので、治療を受けて下さい。
- Bさん
- 消化器内科でプロトンポンプ阻害剤の処方を受け、胸やけ,朝,口の中の苦い酸っぱさも軽快してきました。夜の中途覚醒もなくなりました。今後の注意について教えて下さい。
- 大田医師
- 多くはストレス、加齢、喫煙、飲酒、肥満、過剰な香辛料、不規則な夕食・夜食も原因と言われています。慢性の疾患でなかなか治りにくく、長年にわたって進行します。この疾患の頻度はかなり高く、人口の数パーセント~10パーセントに日常的に胸やけの症状があるようです。40歳以上ではかなり多くなります。不眠のある方は胸やけぐらいと軽く考えず、消化器内科の受診をお勧めします。禁煙は特に効果的です。
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