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<ケース12> 昼夜逆転、睡眠リズム障害 -不登校治療の難しさ-

夜更かしをして朝起きられず、学校に遅刻してしまうAさんのケースです。

Aさん
これは睡眠障害なのでしょうか?
大田医師
本来寝るべき夜に目覚め、本来起床すべき朝に就寝すると、当然学校には行けなくなります。社会人の場合は、会社に出勤できなくなります。昭和の時代、受験生たちが深夜1時・2時まで勉強し、4時間睡眠なら合格、四当五落といわれた時代がありました。そのような過酷な勉強をしていても、皆元気に登校していました。平成の時代に入り、大都会は深夜になっても社会活動が続き、ゲームや趣味の遊びなどで、夜型人間が増えてきました。
Aさん
何時間眠ればいいのですか? なかなか早く寝付けないみたいです。
大田医師
中学生や高校生は睡眠時間を7時間から8時間はとって欲しいのですが、夜型生活で朝起きれない若者が増えてきました。この現象を“睡眠相が後退する”といいます。日本からアメリカへ行くとき時差ボケに悩みます。これは睡眠相を早めることが難しいためです。逆にアメリカから日本に帰るとき、時差ボケは軽度です。これは睡眠相を遅らすのは楽だからです。人間は、早く寝るのは難しいけれど、遅く寝るのは易しいのです。
Aさん
早く眠るには?
大田医師
平成13年、厚生労働省の委託研究で睡眠障害の診断治療ガイドラインが発表され、いかに早寝が難しいかを国も認めています。そこで、遅寝でも良いから毎日決まった時刻に早起き・離床をしなさいと勧めています。
Aさん
時間療法があると聞いていますが、どういった治療ですか?
大田医師
昼夜逆転・不登校の子供たちは、極端には朝の6時ごろ就寝し、昼過ぎに目覚めています。昼夜逆転を是正するためには、カウンセリングと医療の協力が必要です。先に述べた“遅く寝るのは楽”を利用し、毎日2時間から4時間就寝時刻を遅らせていくと、数日後には寝る時刻が夜の22時から23時になります。このタイミングを捉えて、朝は強制的に起こします。この療法は6時台に太陽が昇る今の時期、3月末から治療が容易になります。朝日を浴びると体内時計がリセットされ、睡眠相が前進、睡眠ホルモンのメラトニンや成長ホルモンの分泌サイクルが正常化します。これに伴い、睡眠リズムも正常化していきます。
Aさん
簡単そうですが…
大田医師
おっしゃる通り、時間療法は理論的には素晴らしいのですが、現実には治療効果はなかなか上がりません。理由は、学校に行きたくないという恐怖に近い不安が心の中に潜んでいるケースが多いからです。しかし、努力してみる価値はあります。

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