Column
新しい睡眠薬が増え、習慣性や副作用も少ないと聞きますが、それでも抵抗感を持つ人も多くいます。最近の睡眠薬について話を聞きました。
眠れなくて病院に行くと、どんなことを聴かれますか。
「気になることがあるのか」「体調はどうか」「決まった時間(何時)に寝ているか」そして「夕食・入浴時間と寝る時間との関係」などです。次に「入眠困難」なのか、「中途覚醒や早期覚醒はあるか」「朝起きた時に熟眠感があるか」など、不眠の原因を探す質問をします。
検査は?
身長・体重・血圧・不整脈の有無などを調べ、特別な検査はありません。甲状腺の機能検査をすることもあります。
すぐに薬をもらえるのですか。
安易な処方は問題です。睡眠環境を聴いて必要な指導を行います。厚生労働省の“良眠への12の指針”を説明するのが一般的。それでも眠れないときに処方します。
具体的な症例があれば紹介してください。
「布団に入って1時間も2時間も眠れず、やっと寝たと思うと早朝4時ごろには目が覚める」という方がいました。入眠困難と早朝覚醒の両方を持った不眠症です。気になることやストレスが多いと早期覚醒の原因となります。
どんな睡眠薬を使うのが良いのですか。
睡眠の基本である徐波睡眠・レム睡眠への抑制作用が少ない、持ち越し効果が少ない、筋弛緩作用が少ないの3条件です。
先ほどの症例で、処方される薬は?
入眠困難には、超短時間作用型の『マイスリー』や『アモバン』などを使います。『アモバン』で口が苦くなる人がいますが、口臭とは無関係です。早期覚醒には、中期作用型の『サイレース』『ロヒプノール』など。心に不安やストレスの多い場合は、『マイスリー』や『アモバン』より『デパス』が効果的です。
薬は癖になりませんか。
眠れるようになったからと急にやめると、リバウンド現象があり、再処方が必要となります。服薬中に睡眠環境の整備、プラス思考への心のケア、衰えた筋力回復のための運動を始めるなどの自助努力なしに、睡眠薬だけで不眠を治そうとするのは邪道です。
医師に従えば薬から離脱できますか。
もちろんです。私の場合、睡眠薬は原則散剤とし、薬剤の内容と量が分からないようにしています。徐々に睡眠薬を減らし、本人が知らないうちに少量の抗不安薬と胃薬の散剤だけで良眠しているというケースが多くあります。