Column

更年期について簡単に教えてください。
思春期になると卵巣から出るエストロゲンというホルモンが急激に増え排卵を促進します。このホルモンの分泌が40代半ばを過ぎると急激に減少を始めます。それと関連して、脳内ホルモン セロトニンも減少するため不眠、焦燥感、倦怠感、うつ気分などの様々な更年期症状を引き起こすと考えられています。
更年期障害はおおむね何歳頃から起きやすいのでしょうか。
ルクスという照度を表す言葉をご存知ですか。実は日没後のリビングの明るさ、寝室の明るさ、トイレの明るさを日常感覚的な明るさよりも、ずっと暗くした方がよいのです。
具体的にどの位の明るさ(ルクス)が適当なのですか。
多くは50歳前後から始まります。女性は睡眠の質も良く男性よりも長生きする訳ですが、現実には睡眠障害は女性の方に多く50歳前後から不眠症の頻度、睡眠薬の服用率が高くなります。
更年期障害を調べる方法はありますか。
血中エストラジオール、FSHを調べることによって卵巣機能の 低下を確認することができます。
具体的な症状について教えてください。
卵巣機能低下による血管運動神経の症状と言われているホットフラッシュ、いわゆるほてり、寝汗、感情障害としてのイライラ、気分憂うつなどが起きてきます。このため、夜間の中途覚醒や早朝覚醒が増え、睡眠を障害します。
更年期女性の睡眠障害の原因は、他にもありますか。
単に卵巣機能低下症だけでなく、うつ病やムズムズ脚症候群と更年期の時期が重なることがあります。
ムズムズ脚について簡単に教えてください。
夕方から夜になると下肢がほてる、ムズムズするなど何ともいえない違和感が生じ、脚をじっとしていられない病気です。ムズムズ脚症候群という病気が、ちょうど更年期の50歳代から目立って増えてきますので、更年期不眠を悪化させます。
どんな治療法がありますか。
更年期の睡眠障害の治療には運動療法と薬物療法があります。従来から言われているホルモン補充療法として、エストロゲン製剤が用いられていますが、大規模臨床試験において乳がん発病のリスク、冠動脈疾患の発症リスクが指摘されていますので、安易なエストロゲン療法はお勧めできません。ホルモン補充療法は専門医にご相談ください。次に、うつ病を合併している場合がありますので、うつ状態との鑑別が必要です。抗うつ薬が有効なことがありますので、安易な睡眠導入剤の使用はお勧めできません。
ムズムズ脚に対する治療は、パーキンソン病の治療経験のある医師が望ましいので、かかりつけ医にご相談ください。