Truancy
不登校や引きこもり、情緒不安定の原因の一つに、幼児期の睡眠のあり方が問われています。夜型生活の親の影響で、発育過程に問題が生じるなど、悪い生活習慣の犠牲になる子供たちが増えています。
今、子供たちがあぶない。
早急にできることは何でしょう。まずは国が推進する「早寝・早起き・朝ご飯運動」に、もっともっと関心を持ちましょう。
「うちの子供は朝なかなか起きられないんだけど、小学校にあがれば起きるようになると思うのであまり心配してないんです」といった会話を耳にします。残念ながらこのような親たちは、笑ってはすませられない深刻な子供の発達障害が潜んでいることに、少しも気がついていないのです。
鈴木みゆき先生(聖徳大短期大学部 保育学助教授)は、こういった親たちに警鐘を鳴らすべく全国を講演活動で飛び回っておられます。
最近のケースを2、3紹介してみましょう。
ケース1)
仕事の関係でA君の父親の帰宅時間は、いつも夜中の11時や12時です。
A君は、父親に会いたいために夜遅くまで寝ずに待っているという生活でした。父親と一緒にお風呂に入るのが楽しみだったからです。 そのうちに、だんだんと就寝時刻が遅くなり、早くて夜中1時就寝、朝9時起床が日常的になっていました。
やがて小学校入学を迎え、朝7時に起床しなければならなくなりましたが、なかなか起きることが出来ません。その結果、A君は小学1年生の1学期から遅れて登校する日が続くようになりました。そのうちにイジメにもあい、とうとう不登校になってしまいました。
ケース2)
夫婦共働きで両親共に帰宅時間が遅いB君の家庭です。
但しB君にはおばあちゃんがいました。B君はおばあちゃんに作ってもらった夕食を済ませ、いつでも早く眠れるという状況にあったにもかかわらず、子供と一緒に過ごす時間を少しでも多く持つことが、親の愛情だと思っていた両親は、自分達のライフスタイルにあわせてB君に夜更かしさせて、一緒に寝るようにしていました。
このケースでもB君は、小学校入学時から朝起きることが出来ずに、学校に遅れる日が続き、やがて朝になると頭痛が始まるなど、情緒不安定になり不登校になっていきました。
ケース3)
母親とおばあちゃんに育てられた女の子Cちゃんのケース。
母親は深夜の2時や3時に帰宅することも珍しくない生活でした。おばあちゃんのおかげで、この子はなんとか小学校に通学していましたが、小学校2年生から生理が始まり、情緒も不安定となり、不登校となっていきました。
解説)幼児の遅寝・夜更かしがもたらす発育障害
正しい生活リズムが脳の栄養
脳の発育は、太陽の運行と相関しています。夜10時頃から成長ホルモンであるメラトニンホルモンの分泌が高まり、深夜1時〜2時にピークを迎えます。このいわゆる成長ホルモンシャワーを浴びることによって、心身が健康に発育していきます。最近は、心の発達障害が様々な方面で問題となっています。
大脳機能、中でも前頭葉機能の発達障害のため、すぐにキレるなど人格の形成障害が懸念されています。
意外な盲点、家庭の照明環境
最近、子供を育てる環境の照明照度についての関心が高まり、照明が明るくなり過ぎているのではないかといわれています。過剰な光刺激は、脳の深いところにある、視床や視床下部の神経を過敏状態にします。その結果、めまい、嘔気嘔吐、下痢、頭痛などの自律神経症状が発症します。視床および視床下部は睡眠、食欲、生殖機能に関与しているため、体温調節不良を来たし、低体温児になることがあります。
二次性徴を抑制する機能が障害されるため、8〜9歳で初潮をみることもあります。
間違った愛情が子供の成長を妨げる
仕事の関係上、夜遅く帰宅し、それでも子供との接触を持ちたいと思う親の愛情が実は大きな誤りです。遅寝は子供の健全な心身の発育を阻害していることに気がついて欲しいと思います。 幼児は午後8時や9時には寝るのが常識であって、午後10時以降まで起きているのは非常識だと認識しましょう。
世界保健機構WHOも子供の早寝はしつけが大切。子供の遅寝・夜更かしの弊害に警鐘を鳴らしています。