頭痛、めまい、シビレ、いびき、日中の眠気 – 福山市明神町 明神館クリニック

過眠症 ナルコレプシー

  • HOME »
  • 過眠症 ナルコレプシー
👉 患者さん 生の声

過眠症は、、、眠たくて勉強・仕事に集中できない、運転に支障がある、突然眠るなど、日常生活に支障をきたします。

過眠症には、中枢性過眠症と、症候性過眠症があります。
中枢性過眠症には、ナルコレプシーと特発性過眠症があります。

ナルコレプシーと特発性過眠症

この二つの病気は、社会での認知度が低いため、横着病とか、怠け者のレッテルを貼られることがあります。れっきとした、睡眠の病気であることを解ってもらい、仕事内容の配慮など、使用者側の理解が大切です。
両者の鑑別は、問診と検査によって区分でき、治療も若干異なります。

ナルコレプシー

ナルコレプシーは、突然発作的に襲ってくる耐え難い眠気が日に数回もあり、勉強や仕事に支障をきたします。外国に比べて日本人には多いようです。頻度は、1万人当たり14~16人程度と推測されます。福山市の人口40万人からすると約600人の方がナルコレプシーで困っておられるのではないでしょうか。

明神館クリニックでは、専門の臨床検査技師による正確な検査を行っています。

ナルコレプシー問診票(PDF)

睡眠日誌(PDF)

ナルコレプシー4大症状

1.耐え難い日中の眠気 睡眠発作
2.情動脱力発作 カタプレキシー
3.睡眠麻痺 金縛り
4.生々しい、入眠時幻覚
注:3と4がセットで起こる場合が多く、入眠に恐怖を覚える場合があります。

ナルコレプシー1型:情動脱力発作を伴う睡眠発作
ナルコレプシー2型 特発性過眠症:情動脱力発作を伴わない睡眠発作

情動脱力発作 問診票(PDF)

情動脱力発作=カタプレクシー(cataplexy)は、喜怒哀楽、恐怖や羞恥といった過度の感情の高ぶりによって、突然、身体の力が抜ける発作を言います。

脱力発作の最も多い部位は
1.頸部  突然 うなだれる

2.顔面  突然 だらりとした顔、舌を出す
3.まぶた 突然 眼瞼の下垂
4.体幹  突然 よろける(比較的少ない)

ナルコレプシーの検査

  • アクティグラフ
  • 睡眠時ポリグラフ検査 PSG
  • 反復睡眠潜時検査 MSLT

    さらに詳しい検査をする場合。
  • HLA遺伝子検査
  • 髄液オレキシンの測定

診断

臨床症状、PSG、MSLTにより、主たる判断をします。
HLA検査、髄液オレキシン値検査は、ガイドラインでは検査項目に入っていますが、HLA遺伝子検査はナルコ1型でも、完全に100%陽性ではありません。髄液オレキシン検査は、腰椎穿刺後の副作用もあります。
多くの医療機関、臨床現場では、ほとんど行われていません。

 

ICSD-3を参考にした中枢性過眠症

~ ナルコレプシーと特発性過眠症の鑑別点 ~

 

   ナルコレプシー1型 ナルコレプシー2型 特発性過眠症
情動脱力発作 あり なし なし
napの持続 短い
(30分以内)
短い
(30分以内)
長い
(1~1数時間)
眠気の強さ 強い
(耐え難い居眠り)
強い
(耐え難い居眠り)
ナルコレプシーより弱い
仮眠後の爽快感 あり あり なし
朝や仮眠後の覚醒の容易さ 容易 容易 困難なことが多い
M
S
L
T
入眠潜時 8分以内
(典型的には5分以内)
8分以内
(典型的には5分以内)
8分以内
(ナルコレプシー患者よりは長い)
SOREMP 2回以上 2回以上 2回未満
総睡眠時間  正常範囲  正常範囲  10時間以上

中途覚醒

多い(睡眠の分断化) 多い(睡眠の分断化) 少ない
中枢神経刺激薬の効果 有効 有効 しばしば無効
副作用の頻度が高い
眠気や居眠り以外の症状 必発ではないが、レム睡眠症状としての、入眠時幻覚、睡眠麻痺がある。 必発ではないが、レム睡眠症状としての、入眠時幻覚、睡眠麻痺がある。 自律神経症状をとして、頭痛、めまい、動悸、失神などがある。
HLA遺伝子検査DQB1*0602との関連 強い(日本人ではDR2/DQB1*0602がほぼ100%陽性) 約40%においてDQB1*0602陽性 特定のHLAとの関与は知られていない
髄液オレキシン値 DR2陽性例では低値

110pg/ml以下あるいは、同じ標準的なアッセイによる正常対象の平均値の1/3未満。

一部において低値(低値例ではDQB1*0602陽性)

測定されていないか、110pg/mlより高いか、同じ標準的なアッセイによる正常対象の平均値の1/3より高い。

正常
治療薬 リタリン、ベタナミン、
モディオダール、
アナフラニール
リタリン、ベタナミン、
モディオダール
ベタナミンのみ

注:以下のうち、少なくとも一つを満たす
1. MLSTが平均8分以下の睡眠潜時を示す
2. 24時間ポリグラフ睡眠検査(慢性的睡眠中断を修正を修正後の)で24時間睡眠時間の総時間が660分以上(12-14時間が典型)、あるいは、患者の手首アクチグラフによって、少なくとも3回の睡眠記録(平均して無制限の睡眠を伴う少なくとも7日以上)に関連している、日中の耐えられない眠気や日中の居眠りがある

ナルコレプシー1型、2型の診断基準(ICSD-3より)

  基準AとBを満たさねばならない
   【ナルコレプシー1型】

A. 患者は、少なくとも3ヵ月にわたって、日中に耐えられない眠気や日中の居眠りがある。
B. 以下のうち一つまたは両方がある

1. 情動脱力発作(「本質的な特徴」のもとで定義された)と、標準的な方法によって実施されたMSLT上で、睡眠潜時の平均が8分以下で、2つ以上のSOREMPs(sleep-onset REM periods)。夜間ポリグラフ睡眠検査に先立つ1回のSOREMP(睡眠開始の15分以内)は、MSLTにおけるSORENPsの一つに置き換えてもよい。
2. 免疫反応性によって測定された髄液オレキシン濃度は、110pg/ml以下あるいは、同じ標準的なアッセイによる正常対象に含まれる平均値の1/ 3未満。

 

  基準A-Eを満たさねばならない
   【ナルコレプシー2型】

A.  患者は、少なくとも3ヵ月にわたって、日中に耐えられない眠気や日中の居眠りがある。
B.  標準的な方法によって実施されたMSLT上で、睡眠潜時の平均は8分以下、2つ以上のSOREMPsがある。夜間ポリグラフ睡眠検査に先立つ1回のSOREMP(睡眠開始の15分以内)は、MSLTにおけるSORENPsの一つに置き換えてもよい。
C. 情動脱力発作はない。
D. 髄液オレキシン濃度は測定されていないか、免疫反応性によって測定された髄液オレキシン濃度が110pg/mlより高いか、同じ標準的なアッセイによる正常対象に含まれる平均値の1/ 3より高い。
E. 過眠 and/or MSLT所見が、睡眠不足や閉塞性睡眠時無呼吸症候群、睡眠相後退症候群、薬物等の投与・中断の影響のような他の原因によって、より明快に説明されない。

特発性過眠症の診断基準(ICSD-3より)

  基準A-Fを満たさねばならない
【特発性過眠症】

A.  患者は、少なくとも3ヵ月にわたって、日中に耐えられない眠気や日中の居眠りがある。
B.  情動脱力発作はない。
C. 標準的な方法で実施されたMLSTが2回未満のSOREMPsを示す、あるいはポリグラフ睡眠検査に先立つREM潜時が15分以下だった場合は、SOREMPsが1回もない。
D. 以下のうち、少なくとも一つを満たす

1. MLSTが平均8分以下の睡眠潜時を示す
2. 24時間ポリグラフ睡眠検査(慢性的睡眠遮断を修正を修正後の)で24時間睡眠時間の総時間が660分以上
(12-14時間が典型)、あるいは、患者の手首アクチグラフによって、少なくとも3回の睡眠記録
(平均して無制限の睡眠を伴う少なくとも7日以上)に関連している、日中の耐えられない眠気や日中の居眠りがある

E. 睡眠不足症候群は除外される(夜寝る時間を増やす適切な対処の後、眠気の改善が見られないことによって、必要とみなされる場合、少なくとも1週間の手首アクチグラフによって、確認されることが好ましい。)
F.  過眠 and/or MSLT所見が、他の睡眠障害、他の医学的・精神科的障害、あるいは薬物や治療薬の使用によって、より明快に説明されない。

(補足)
特発性過眠症の診断は保持されたが、以前の版と異なり、ICSD-3では、この症状のサブタイプは挙げられていない。理由は、なんらか違いがあるとされた患者群の顕著なサブカテゴリーを代表する以前のサブタイプ(夜間の睡眠が長いか短いか)には、十分な根拠がないとされたからである。

MSLT:multiple sleep latency test 反復睡眠潜時検査
Sleep latency:睡眠潜時(入眠までにかかる時間のこと)
Sleep-onset:睡眠開始
SOREMPs:sleep-onset REM periods
Nocturnal polysomnogram:夜間ポリグラフ睡眠検査
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)

【Kleine-Levin 症候群】
Kleine-Levin 症候群は、認知、精神、行動障害が明らかな期間のある再発-寛解症状によって特徴づけられる再発性の重篤な過眠症である。ICSD-3では、歴史的な用語であるKleine-Levin 症候群が、再発性過眠症の代わりに好ましいと復活した。理由は、この症状は典型的とはいえなくとも、なんらか同種だからである。

【文献】
Zucconi. M. & Ferri. R. B. Assessment of sleep disorders and diagnostic procedures. 1. Classification of sleep disorders. In ESRS-Sleep Medicine Textbook , Chapter B.1. 2014.
http://www.esrs.eu/fileadmin/user_upload/publications/ESRS_Sleep_Medicine_Textbook_Chapter_B1.pdf
(2017.10.19DL)

他の参考文献
ただし、記載内容がZucconiらと異なっている。(入眠潜時が8分以下が8分未満と記載されるなど)
他を調べても8分以下が多いので、そちらを採用。
Sateia. MJ. International Classification of Sleep Disorders-Third Edition. Highlights and Modifications. Contemporary Reviews in Sleep Medicine. CHEST. 2014.1387-1394.
https://medicinainternaelsalvador.com/wp-content/uploads/2017/03/internation-classification-ICSD-III-beta.pdf
(2017.10.19DL)

清水徹男. 睡眠障害の診断と分類(ICSD-3)
https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/pdf/h28-2-3.pdf
(2017.10.19DL)

 

特発性過眠症、ナルコレプシーのお薬

分類 商品名 一般名 用法・用量 (成人) 副作用 30日分の負担額(3割)
中~


ベタナミン(10,25,50) ペモリン 1日20~200mg、
2回朝昼食後
肝障害、
頭痛、動悸、消化器症状、精神症状など
375円
864円
1,653円 


モディオダール(100) モダフィニル 1日1回200mg朝
300mgまで
肝機能数値異常、頭痛、動悸、悪心、食欲低下、肥満、精神症状など 12,126円 


リタリン
(10、1%散)
メチルフェニデート 1日20~60mg、1~2回 依存耐薬性
肝不全、肝障害、黄疸、頭痛、動悸、消化器・精神症状など
288円 

注:リタリンは、3~4時間の短時間作用型のため、依存耐薬性になりやすい問題があります。
私は、ベタナミンの効果が不十分なとき、レスキューで頓服処方をすることが稀にあります。
注:コンサータはリタリンと同じ成分、ナルコレプシーには保険適応はありません。
ADHDの薬です。  

ナルコレプシー 遺伝子検査について

HLA遺伝子検査は、日本人のナルコ1型には特異的に陽性を示しますが、陽性率はほぼ100%です。遺伝学的検査は、本人だけでなく血縁者に影響を与える可能性があり、ときに倫理的問題を派生することがあります。少なくとも、両親、兄弟姉妹の理解と同意が必要です。

検査の対象となる遺伝子は、HLA-DR2、HLA-DQB1の2種類です。

HLA遺伝子検査は、保険適応外のため、自費診療となります。私は、この遺伝子検査は絶対に必要とは思っていません。髄液オレキシン濃度測定と同様に、本人ご家族の希望によって、検査を行っております。

参考:2011年2月日本医学会 「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」

明神館クリニック 大田浩右

 

お電話でのお問合わせは TEL 084-927-0011 月曜〜土曜(日曜・祝日・月曜午後 休診)
午前8:30〜12:00(新患~11:00)
午後14:30〜18:00(新患~17:00)

  • メールでお問い合わせはこちら