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自律神経と時計遺伝子

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自律神経と時計遺伝子

長時間スマホやゲームをすると自律神経失調症になりやすいのは事実です。その理由は極めてシンプルです。
目から入ってきた光は時計遺伝子のぎっしり詰まった視交叉上核に達します。私はいつも患者さんに時計遺伝子は夜10時に活動を停止し真っ暗になっているのです。ところが、エジソンが電球を発明してから、蛍光灯、LEDと照明は明るくなりました。夜も煌々と照明がついているため時計遺伝子は長時間の光にさらされ疲労混乱しています。この混乱がすぐ隣にある自律神経の中枢である室傍核に伝わり、室傍核まで不安定になり、ひいては脳内ホルモンの不安定につながります。このホルモンの不安定が自律神経失調症です。強い光にさらされ疲労した時計遺伝子の中枢である視交叉上核と自律神経の中枢である室傍核を治療する有効な方法は睡眠と有酸素運動です。なかでも毎日10分間のウォーキングで自律神経は元気を回復します。不摂生、横着は身を亡ぼすと、昔の人はよく言ったものです。

 

私は2014年5月20日、拙著『脳過敏症』327PのB5判を出版しました。私が本書で著述した脳過敏症は自律神経失調症を最もよく説明できる推論です。自律神経失調症(脳過敏症)は自律神経の検査結果から診断する病名ではなく、原因のよくわからない不調を訴えられるときにつけられる病名です。体調不良は脳内ホルモンのバランス障害ですから脳過敏症のほうが的確な病名と私は思います。ところが、患者さんは自律神経失調症の診断に妙に納得されます。交感神経と副交感神経の関係には誤解も多いため、私は『脳過敏症』のなかで多数のページを割いて脳内ホルモンの話を書きました。自律神経失調症に関係するホルモンは4種類です。副交感神経はアセチルコリン、交感神経はアドレナリンです。この2つのホルモンだけなら話は簡単ですが、幸せホルモンセロトニンとやる気ホルモンドーパミンが深く関与しているのです。この4種のホルモンに対する治療は薬理作用からすると精神科で使われる向精神薬(俗に安定剤)と抗精神病薬が治療薬となります。ここで患者さんと医師との間に考え方の違いがぱっくりと口を開けます。『私はうつではありません、自律神経失調症ですからこのような薬は飲みたくありません。』これが一般的な反応です。本来であれば自律神経失調症を引き起こすメカニズムについて時間を割いてわかりやすく説明し、生活習慣の改善、考え方の改善に努めてもらえれば薬の処方なしに元気になられるはずです。問題は交感神経が擦り切れて副交感神経優位となり体がだるい、やる気が出ない状態の人に生活習慣の改善のベスト3である早寝、有酸素運動、たんぱく質を含む朝ごはんを実行するように申し上げても、力尽きた状態では実行困難な話であり、夕食後から寝るまでに一度だけ少量のお薬の助けが必要なのです。

 

 

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