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過眠症:特発性過眠症

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寝ても寝ても日中眠気を来す睡眠障害を過眠症と呼びます。

過眠症とは睡眠覚醒中枢の制御異常に基づく病気です。睡眠中枢が勝手に働いて眠くなったり目が覚めたり居眠りしたりします。原因のわからない過眠症を特発性過眠症と言います。

睡眠障害国際分類ICSD3版による過眠症分類
1)ナルコレプシーⅠ型
ナルコレプシーⅡ型

2)特発性過眠症

3)クライネレビン症候群(反復過眠症)

4)睡眠不足症候群

5)長時間睡眠者

日本では一般に過眠症と言えば特発性過眠症とナルコレプシーを意味します。

 

ナルコレプシー

特発性過眠症

社会での認知度が低いため横着病とか怠け者のレッテルを貼られることがあります。特発性過眠症は原因はわからないがれっきとした中枢性の病気に分類されます。特発性過眠症の人には仕事内容の配慮など使用者側の理解が大切です。診断は問診と検査によってナルコレプシーと区別できます。

 

ICSD-3を参考にした中枢性過眠症

~ 特発性過眠症とナルコレプシーの鑑別点 ~

 

特発性過眠症  ナルコレプシー1型 ナルコレプシー2型
情動脱力発作 なし あり なし
napの持続 長い
(1~数時間)
短い
(30分以内)
短い
(30分以内)
眠気の強さ ナルコレプシーより弱い 強い
(耐え難い居眠り)
強い
(耐え難い居眠り)
仮眠後の爽快感 なし あり あり
朝や仮眠後の覚醒の容易さ 困難なことが多い 容易 容易
M
S
L
T
入眠潜時 8分以内
(ナルコレプシー患者よりは長い)
8分以内
(典型的には5分以内)
8分以内
(典型的には5分以内)
SOREMP 2回未満 2回以上 2回以上
総睡眠時間 10時間以上  正常範囲  正常範囲
中途覚醒 少ない 多い(睡眠の分断化) 多い(睡眠の分断化)
中枢神経刺激薬の効果 半数は無効 副作用の頻度が高い 有効 有効
眠気や居眠り以外の症状 自律神経症状として頭痛、めまい、動悸、失神などがある。 必発ではないがレム睡眠症状としての入眠時幻覚、睡眠麻痺がある。 必発ではないがレム睡眠症状としての入眠時幻覚、睡眠麻痺がある。
HLA遺伝子検査DQB1*0602との関連 特定のHLAとの関与は知られていない。 強い(日本人ではDR2/DQB1*0602がほぼ100%陽性) 約40%においてDQB1*0602陽性
髄液オレキシン値 非低値
または
未測定
DR2陽性例では低値

110pg/ml以下の低値

測定されていないか、110pg/mlより高いか、同じ標準的なアッセイによる正常対象の平均値の1/3より高い。
治療薬 ベタナミン リタリン、ベタナミン、
モディオダール、アナフラニール
リタリン、ベタナミン、モディオダール

 

睡眠日誌(PDF)

特発性過眠症とは原因が全く分からない日中の眠気のことです。検査はナルコレプシーとほぼ同様に睡眠日誌とアクチグラフによる他覚的眠気検査、そして睡眠潜時反復検査MSLTを行います。

症状:一旦昼寝をすると1時間以上眠る。一旦眠ると常に覚醒困難であることが特徴。すっきり起床できない。睡眠後の爽快感はない。眠気で頭はぼんやりするがなんとか眠り込むのを我慢できる。自律神経症状や自動症もある。睡眠の質的障害を認めない。一日の総睡眠時間は11時間以上の延長がある。

治療
1)日々睡眠表を記載し睡眠の乱れを自覚する。
2)不規則就寝は避けきちんとした夜間の睡眠時間を確保する。
3)規則正しい食事と運動に心がける。
4)約半数に効果を見る服薬指導と副作用の知識を持つ。
5)注意集中困難、継続読書困難、日課遂行困難に対する家族、学校、職場の理解と協力関係を保つ。
6)運転の問題については医療側の意見を聞き本人家族で判断する。
7)その他:
・治療抵抗性の場合、対処法がない場合、数ヶ月好きなだけ寝させ睡眠負債を完全に解消する。
・特発性過眠症には立ちくらみ、頭痛、冷え症、痩せ体形などの自律神経系がうまく作動しない体質持ちに対し自律神経機能検査、血糖値検査、穏やかな運動習慣を取り入れる。

 

特発性過眠症の診断基準(睡眠障害国際分類ICSD-3より)

  基準A-Fを満たさねばならない
【特発性過眠症】

A.  患者は、少なくとも3ヵ月にわたって、日中に耐えられない眠気や日中の居眠りがある。
B.  情動脱力発作はない。
C. 標準的な方法で実施されたMLSTが2回未満のSOREMPsを示す、あるいはポリグラフ睡眠検査に先立つREM潜時が15分以下だった場合は、SOREMPsが1回もない。
D. 以下のうち、少なくとも一つを満たす

1. MLSTが平均8分以下の睡眠潜時を示す
2. 24時間ポリグラフ睡眠検査(慢性的睡眠遮断を修正を修正後の)で24時間睡眠時間の総時間が660分以上
(12-14時間が典型)、あるいは、患者の手首アクチグラフによって、少なくとも3回の睡眠記録
(平均して無制限の睡眠を伴う少なくとも7日以上)に関連している、日中の耐えられない眠気や日中の居眠りがある

E. 睡眠不足症候群は除外される(夜寝る時間を増やす適切な対処の後、眠気の改善が見られないことによって、必要とみなされる場合、少なくとも1週間の手首アクチグラフによって、確認されることが好ましい。)
F.  過眠 and/or MSLT所見が、他の睡眠障害、他の医学的・精神科的障害、あるいは薬物や治療薬の使用によって、より明快に説明されない。

(補足)
特発性過眠症の診断は保持されたが、以前の版と異なり、ICSD-3では、この症状のサブタイプは挙げられていない。理由は、なんらか違いがあるとされた患者群の顕著なサブカテゴリーを代表する以前のサブタイプ(夜間の睡眠が長いか短いか)には、十分な根拠がないとされたからである。

MSLT:multiple sleep latency test 反復睡眠潜時検査
Sleep latency:睡眠潜時(入眠までにかかる時間のこと)
Sleep-onset:睡眠開始
SOREMPs:sleep-onset REM periods
Nocturnal polysomnogram:夜間ポリグラフ睡眠検査
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)

【Kleine-Levin 症候群】
Kleine-Levin 症候群は、認知、精神、行動障害が明らかな期間のある再発-寛解症状によって特徴づけられる再発性の重篤な過眠症である。ICSD-3では、歴史的な用語であるKleine-Levin 症候群が、再発性過眠症の代わりに好ましいと復活した。理由は、この症状は典型的とはいえなくとも、なんらか同種だからである。

【文献】
Zucconi. M. & Ferri. R. B. Assessment of sleep disorders and diagnostic procedures. 1. Classification of sleep disorders. In ESRS-Sleep Medicine Textbook , Chapter B.1. 2014.
http://www.esrs.eu/fileadmin/user_upload/publications/ESRS_Sleep_Medicine_Textbook_Chapter_B1.pdf
(2017.10.19DL)

他の参考文献
ただし、記載内容がZucconiらと異なっている。(入眠潜時が8分以下が8分未満と記載されるなど)
他を調べても8分以下が多いので、そちらを採用。
Sateia. MJ. International Classification of Sleep Disorders-Third Edition. Highlights and Modifications. Contemporary Reviews in Sleep Medicine. CHEST. 2014.1387-1394.
https://medicinainternaelsalvador.com/wp-content/uploads/2017/03/internation-classification-ICSD-III-beta.pdf
(2017.10.19DL)

清水徹男. 睡眠障害の診断と分類(ICSD-3)
https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/pdf/h28-2-3.pdf
(2017.10.19DL)

 

特発性過眠症はナルコレプシーと同じ薬を使い効果を見ます

分類 商品名 一般名 用法・用量
(成人)
副作用 30日分の負担額 (3割)
中~


ベタナミン(10,25,50) ペモリン 1日20~200mg
2回朝昼食後
肝障害、
頭痛、動悸、消化器症状、精神症状など
375円
864円
1,653円 


モディオダール(100) モダフィニル 1日1回200mg朝
300mgまで
肝機能数値異常、頭痛、動悸、悪心、食欲低下、肥満、精神症状など 12,126円 


リタリン
(10、1%散)
メチルフェニデート 1日20~60mg
1~2回
依存耐薬性
肝不全、肝障害、黄疸、頭痛、動悸、消化器・精神症状など
288円 

注)
・リタリンは最大60㎎/日の諸法制限があります。3~4時間の短時間作用型のため、依存耐薬性になりやすい問題があります。特発性過眠症には頓服療法も行われています
・モディオダールの処方適用はナルコレプシーと睡眠時無呼吸症候群でCPAPを使用しても日中の眠気のある場合に限定されました。
・ベタナミンは特発性過眠症に使用できる唯一の中枢性神経刺激剤です。

・コンサータはリタリンと同じ成分ですが、ナルコレプシーへの保険適応はありません。ADHDの薬です。

 

<参考> 過眠症:症候性過眠症

症候性過眠症とは確たる原因があって起きる日中の眠気です。遅寝の原因の多くはスマホ依存です。寝る前にスマホを1~2時間するのはいいほうで、2~3時間すると就寝時刻は1時2時となります。遅く寝て翌日は定刻に登校する、出勤すると睡眠時間は4~5時間となります。これが連日続くと睡眠負債状態に陥り、日中授業中や会議中に我慢できない眠気に襲われるのは当然のことです。
国際睡眠分類には症候性過眠症は存在しません。なぜなら病気ではないからです。食べ過ぎて太ったから治療してくれと言うのと同じです。昨夜はスマホゲームで遊んで4時間しか寝てないので日中眠いから何とかしてくれといって治療してくれる医者はこの世にいません。

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