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パーキンソン病

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パーキンソン病は私のライフワーク

私が医療センターへ赴任した1972年に福山で初めてパーキンソン外来を始めました。今のようなパーキンソン病治療薬はなく、DCI合剤のないLドーパそのものを処方していました。その後診断治療共に進化し続け、最近はダットスキャン検査の登場によりパーキンソン病の誤診率は20%に及ぶことが判り、SWEDD(scans without evidence of dopaminargic deficit)として区別されるようになりました。

パーキンソン病の症状として動作が緩慢になる、書字が下手になる、手足に小刻みな震えが起きるなどは有名ですが、パーキンソン病の初期症状として慢性の便秘があります。この段階で治療を始められた方は幸運です。

パーキンソン病の4大症状

症状
A 身体機能の異常 動作が鈍くなる
・書字が下手になる
・歩行が遅く
前かがみ姿勢になる

バランス
とりにくくなる

・手足が震える
B 精神・認知の異常 ・気分憂鬱うつ状態
・認知の衰え(認知症)
C 睡眠・感覚の異常 ・中途覚醒が増える
・幻覚、妄想
・痛み、シビレ
・嗅覚の低下
D 自律神経の異常 頑固な便秘
・排尿障害
起立性低血圧
・発汗

※ 2018年1月より難病新法により難病医療費助成制度の対象となりました。

  • 対象者は、ホーン・ヤール重症度分類Ⅲ度以上で生活機能障害度Ⅱ度以上の方です。
  • 軽症者(医療費助成の要件を満たさない場合)であっても、1か月の医療費総額が高額である場合、医療費補助の対象となります(軽症高額該当)。
    ※1か月の医療費総額が33,330円を超える月が、年間3回以上ある場合。

 

介護度認定区分の目安

区分 心身の状態
自立 介護保険によるサービスは受けられないが保健・福祉サービスを利用できる。
要支援1 食事や排泄などは自分でできるが、日常生活の一部に介助が必要。
要支援2
要介護1 歩行や立ち上がりが不安定。入浴など日常生活の一部に介助が必要。
要介護2 歩行や立ち上がりが困難。日常生活全般に部分的な介助が必要。
要介護3 歩行や立ち上がりができないことがある。食事や排泄など日常生活全般に介助が必要。
要介護4 歩行や立ち上がりがほとんどできない。理解力の低下。日常生活すべてに介助が必要。
要介護5 歩行や立ち上がりができない。理解力の低下。介護なしでは生活ができない。

パーキンソン病を視覚化するダットスキャン検査 

正常

パーキンソン類縁疾患

レビー小体型認知症

パーキンソン病

 

 

パーキンソン類縁疾患

多系統萎縮症 MSA

自律神経系、錐体外路系、小脳系の3系統が侵される変性疾患です。
パーキンソン症状が目立つ場合は多系統萎縮症P型(MSA-P)と呼びます。
小脳運動失調が目立つ場合は多系統萎縮症C型(MSA-C)と呼びます。
ダットスキャンではパーキンソン病と同じく線条体への集積低下は見られますがパーキンソン病治療薬の効果は限定的です。多くの場合は中枢性のSASを合併するためCPAP療法を適用する場合があります。低血圧発作に対しては弾性ストッキング程度しかありません。特に有効な治療法はないと言われています。

パーキンソン病PDと紛らわしい多系統萎縮症パーキンソン型MSA-P

 

 

 

 

 

 

 

  ダットスキャン MIBG心筋シンチグラフィー
パーキンソン病 PD 集積低下(+) 集積低下(+)
レビー小体型認知症 集積低下(+) 集積低下(+)
多系統萎縮症 MSA-P 集積低下(+) 集積低下(-)

<参考資料> パーキンソン病と多系統萎縮症との紛らわしい症例

<参考資料> パーキンソン病とレビー小体型認知症との紛らわしい症例

<参考資料> 日本心臓核医学会より

治療

1. 薬物治療

パーキンソン病は神経伝達ホルモンであるドパミンの不足によって起こる病気です。したがって、ドパミンを補充する薬、ドパミンの代わりをする薬、ドパミンの働きを助ける薬に分けられます。

<治療1>
ドパミン神経細胞が減少する病気なのでドパミン補充療法を行います。ドパミンを直接飲んでも脳に移行しません。ドパミンの前駆物質であるレボドパ(L-DOPA)を内服します。このレボドパが腸・肝臓などでドパミンに変わるのを防ぐドパ脱炭酸酵素阻害薬DCIカルビドパと合剤にしたメネシット、ネオドパストン、ドパコール、ベンゼラジドと合剤にしたネオドパゾールがあります。

<治療2>
50代、60代の若年発症タイプはドパミンアゴニスト内服で原則治療を始めます。
70代~発症タイプはレボドパ(L-dopa)内服で原則治療を始めます。

<治療3>
最初からレボドパ(L-dopa)とドパミンアゴニストを併用する場合もあります。

治療4>
併用薬として多種類の薬剤があります。

  • アセチルコリン受容体に作用する抗コリン剤(アキネトン1mg)
    ドパミン減少に伴って相対的にアセチルコリンが過剰になります。抗コリン薬はその作用を抑えてドパミンとアセチルコリンのバランスを取ります。

  • グルタミン酸受容体に作用しドパミンの分泌を促進するアマンタジン(シンメトレル50mg)、元はA型インフルエンザの治療薬です。
  • アデノシン受容体に作用するイストラデフィリン(ノウリアスト20mg)
    アデノシンは脳内でドパミンと反対の作用をします。アデノシンを抑えドパミンとのバランスを回復します。

  • シグマ受容体に作用しドパミン賦活作用を持つゾニサミド(トレリーフ25mg、エクセグラン100mg)は軽度から中等度のMAO-B阻害作用を併せ持ちます。
  • COMT阻害薬(エンタカポン100mg、コムタン100mg)
    カテコール-O-メチル基転移酵素はレボドパ(L-dopa)が脳に入る前に分解する酵素COMTの働きを阻害する薬です。
  • MAO-B阻害薬(セレギリン5mg、トレリーフ25mg、エクセグラン100mg)
    脳内でドパミンを分解するB型モノアミン酸化酵素MAO-Bの働きを阻害する薬です。
  • ノルアドレナリン補充薬ドロキシドパ(ドプス100mg・200mg)
    パーキンソン病では脳内のノルアドレナリンも減っているため薬剤で補充します。

 

A  脳にドパミンを補う薬 ・L-ドパ製剤:ドパール、ドパストンなど

・L-ドパに脱炭酸酵素阻害薬を配合した製剤:ネオドパストン、メネシット、マドパー、ECドパール

・脳のドパミン利用を高める薬剤:エフピー、セレギリン

・L-ドパの利用を高める薬剤:エンタカポン

・脳のドパミン遊離促進剤:シンメトレル、アマンタジン

B ドパミン受容体を刺激する薬 ・ドミン、ビ・シフロール、レキップ、ミラペックスLA

・ニュープロパッチ、ハルロピテープ

C ドパミンとアセチルコリンの不均衡を是正する薬 ・アーテン、アキネトン
D 脳にノルエピネフリンを補う薬 ・ドプス

2. 定位脳手術

薬物治療が上手くいかない時の選択肢です。手術の合併症は脳出血による手足の麻痺、言語障害、嚥下障害、感染症など発症頻度は施設によって異なりますが概ね数%です。個人的な話しですが1例だけ、、振戦で紹介した患者さんが半身不全麻痺になられて以来、重症で生活に支障を来し数%の何らかの合併症説明に対し本人家族共に承諾される以外は手術は勧めていません。

振戦(ふるえ) 最も手術効果が高く80%以上有効と言われており、再発も少ない。
ジスキネジー
ジストニー
首や肩、手足が勝手にくねくねと動くジスキネジーと体の一部または全体が硬くつっぱったり
姿勢異常を起こすジストニーでは手術効果は高く80%以上が症状改善し効果は長続きする。
手足の動作 ペンによる書字、箸を使った食事などの困難、手足が硬くなりスムーズに動かしにくくなる症状に対する手術効果はオフ症状に対してはかなりの有効性を持っているがオン症状への効果はほとんど見られない。
歩行障害 およそ50%に有効だが術後に一旦良くなっても2~3年で効果が消えてしまうことがよくある。

3. リハビリは効果的

通院によるリハビリ療法の効果はあまり知られていませんが実際には予測以上の効果が期待されます。

特にヤールの重症度分類3度以上では積極的にリハビリを勧めています。理学療法を主とする運動療法です。なかでも力を入れているのは立ち直り訓練、バランス訓練、関節可動域訓練、筋力訓練の順番です。このリハビリによって運動障害の軽減、転倒の危険性の減少が期待されます。問題はパーキンソンリハビリを専門とする理学療法士が少ないことです。

 

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